Nature ハイライト
宇宙:太陽系外惑星うしかい座τ星bに見つかった一酸化炭素
Nature 486, 7404
うしかい座τ星を巡る巨大な太陽系外惑星は、10年以上にわたり詳細に観測されている。その軌道傾斜角は何度か見積もられてきたが、得られた結果は大幅に異なっている。今回、チリのヨーロッパ南天天文台に設置されている超大型望遠鏡(VLT)による高分解能赤外分光測定のデータを使って、惑星のうしかい座τ星bの昼側の熱い大気に一酸化炭素が見つかった。この結果は、この惑星が恒星面通過していない期間に得られたものだ。これまで、こうした観測を行うためには、惑星が親星の前面を通過している必要があった。このスペクトルの特徴から、軌道傾斜角は約44.5°、質量は木星の約5.95倍と算出された。地上で行われたこの新しい高分解能分光法は、ほかの太陽系外惑星の大気の観測にも広く応用できると考えられる。