Nature ハイライト

進化:岸辺をはいずっていたイクチオステガ

Nature 486, 7404

イクチオステガの再現画像。透けて見えるのは今回三次元的に再現された骨格。
イクチオステガの再現画像。透けて見えるのは今回三次元的に再現された骨格。 | 拡大する

Credit : Julia Molnar

初期の四肢類イクチオステガ(Ichthyostega)は、頑丈な胸郭、水平方向よりも上下方向の動きに適応した脊椎、および歩行には不向きと思われるひれ状の四肢という独特の骨格を有しているため、その移動様式は謎に包まれている。新しい研究で、イクチオステガの化石に基づいて四肢の関節の可動性が三次元的に再現され、コンピューターによるモデル化が行われた。そのモデルは、イクチオステガが四肢を歩行の形式では動かせなかったことを示唆している。イクチオステガは、アザラシに見られるような動き方で陸上をはいずっていたらしい。このことは、遊泳から歩行への移行が漸進的な過程であったことを示唆している。

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