Nature ハイライト 物理:原子核の安全地帯を越えて 2012年6月28日 Nature 486, 7404 自然界に存在することが知られている288種類の安定同位体は、宇宙の目に見える物質の99.9%以上の質量を構成している。しかし、この「安定性の谷」を越えたところには、核力によって束縛されたほかの同位体が多数存在しており、現在までに約3,000種類の原子核が実験室で合成されている。原子核中にはいくつの陽子と中性子を束縛でき、また何種類の核が実際に存在しうるのだろうか。今回理論研究によって、原子核の安定性を決める不確実性が調べられ、原子番号が2と120の間で、束縛核種と思われるものの数が約7,000であることが見いだされた。我々はこれらの元素の多くには出会わないだろうが、存在する可能性のある核種の境界近くにある短寿命核は、宇宙を形成するもっと安定な核種が生成される恒星の形成過程などに重要である。 2012年6月28日号の Nature ハイライト 生態:栄養摂取に新たな次元 細胞:カロリー制限と腸 遺伝:酵母の詳細なヌクレオソーム地図 宇宙:太陽系外惑星うしかい座τ星bに見つかった一酸化炭素 物理:原子核の安全地帯を越えて 化学:炭素–水素結合を活性化する革新的な方法 進化:岸辺をはいずっていたイクチオステガ 遺伝:ボノボゲノム解読で、類人猿ゲノムが勢ぞろい 免疫:T細胞はレヴィウォークで移動する 細胞:薬剤標的としてのTreg細胞 目次へ戻る