Nature ハイライト 免疫:T細胞はレヴィウォークで移動する 2012年6月28日 Nature 486, 7404 T細胞は、免疫系と侵入してきた病原体との間の重要な最初の接触点である。T細胞が侵入者と遭遇する免疫反応初期段階のモデルとして現在受け入れられているのは、ブラウン運動に当たるランダムウォークモデルである。今回、多光子顕微鏡を使ったin vivo研究で、ケモカインCXCL10がCD8+ T細胞を増強して、病原体であるトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)を制御することが実証された。意外にも、このin vivo画像化によって、トキソプラズマに感染したマウスの脳のT細胞はブラウン運動型の動きではなく、移動が停止によってしばしば中断されるレヴィウォークの運動パターンに従って動いていることが明らかになった。数理シミュレーションは、この運動様式が、存在場所がわからない標的を見つける機会を増やすことを示唆している。 2012年6月28日号の Nature ハイライト 生態:栄養摂取に新たな次元 細胞:カロリー制限と腸 遺伝:酵母の詳細なヌクレオソーム地図 宇宙:太陽系外惑星うしかい座τ星bに見つかった一酸化炭素 物理:原子核の安全地帯を越えて 化学:炭素–水素結合を活性化する革新的な方法 進化:岸辺をはいずっていたイクチオステガ 遺伝:ボノボゲノム解読で、類人猿ゲノムが勢ぞろい 免疫:T細胞はレヴィウォークで移動する 細胞:薬剤標的としてのTreg細胞 目次へ戻る