Nature ハイライト 生化学:DNA修復反応を詳細に調べる 2012年7月12日 Nature 487, 7406 化学反応を研究する際には、その反応の実際の遷移状態における構造の決定が望まれるが、こうした目標の達成は遷移状態の高いエネルギーと不安定な性質によって妨げられてきた。W Yangたちは、DNAポリメラーゼη(Polη)により触媒されるDNA修復反応をモデルとして使い、瞬間凍結技術を拡大して実時間でのDNA合成の観察を試み、共有結合している中間体を捕捉してX線結晶構造学の手法によって原子分解能での分析を行った。Polηは反応速度が遅く、触媒中心の構造が比較的固いため、こうした分析方法に特に適している。観測された反応中間体により、予想外の遷移状態がいくつか明らかになり、意外にも第3のマグネシウムイオンが反応機構に関与していることがわかった。 2012年7月12日号の Nature ハイライト 脳:うつ病の症状は分割・統治が可能? 遺伝:臨床に使えるゲノム塩基配列解読法 生化学:DNA修復反応を詳細に調べる 宇宙:暗黒物質に光を当てる 工学:流砂の謎 材料:賢い柔軟材料 進化:鳥類はいつまでも若々しい? 生態:相利共生ネットワークで重要となる数は? 神経:霊長類の神経回路に手が届く 目次へ戻る