Nature ハイライト

神経:霊長類の神経回路に手が届く

Nature 487, 7406

親指と人差し指で器用にものをつかむのは、高等霊長類の特徴である。
親指と人差し指で器用にものをつかむのは、高等霊長類の特徴である。 | 拡大する

Credit : Ms. Miya Hamai

霊長類の巧みな手の動きには、脳の運動を制御している領域である運動皮質と、脊髄のニューロンとの直接的な接続が必要である。今回伊佐正(生理学研究所)たちは、脊椎介在ニューロンがかかわる「進化的により古く」て保存されている間接経路が、高等霊長類の手の器用な動きに役割を果たしていることを明らかにした。この研究に使われたのは、ウイルスベクターを二重に感染させてGFP標識した破傷風神経毒遺伝子を導入し、その発現を制御することにより、経路選択的にシナプス伝達を可逆的に遮断するという手法である。この方法は、霊長類での神経回路機能の詳細な解析に、広く応用できると考えられる。

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