Nature ハイライト

Cover Story:群衆の中の1つの顔 : トゥルカナ湖の化石から初期ヒト属の種間多様性が明らかになる

Nature 488, 7410

下顎骨の化石標本KNM-ER 60000。
下顎骨の化石標本KNM-ER 60000。 | 拡大する

Credit: © Photo by Mike Hettwer,www.hettwer.com, courtesy of National Geographic

トゥルカナ湖(ケニア)の東岸に位置するクービ・フォラで新たに発見された3点のヒト族化石は、ヒト属(Homo)の初期放散に関する理解を大きく向上させ、1973年にRichard LeakeyがNatureで最初の記載報告を行った、有名だが謎の多いヒト族頭蓋骨KNM-ER 1470を明快に説明するものとなりそうだ。この3点は、保存状態がきわめて良好な下顎(KNM-ER 60000)、下顎の断片と、特に重要な、良好に保存された顔面である。195万~178万年前には、ホモ・エレクトゥスのほかに少なくとも2つのヒト属種が更新世初期のアフリカ東部に同時に存在したという説を、これらの化石は大筋で裏付けている。表紙は、下顎KNM-ER 60000の写真からの復元画像とKNM-ER 1470のデジタル画像を組み合わせたもので、両者は同じ種に属すると考えられる。(Letter p.201; N&V p.162)

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