Nature ハイライト
脳:海馬での記憶固定
Nature 491, 7425
海馬の活動のリップル波と呼ばれる振動は、それ以前の経験の「再生」と結びつけられており、学習や記憶の固定と関連すると考えられている。こうしたリップル波がほかの脳領域にどう影響しているかは、今のところほとんどわかっていない。しかし今回、オフラインの記憶固定時に中脳が抑制され、これによって海馬と皮質の間のやり取りが優先的に確保されて、情報転送が最適化されている可能性が示唆された。N Logothetisたちは、サルで、海馬のリップル現象を記録すると同時に、機能的磁気共鳴画像化法で脳全体の活動を記録することにより、リップル発生時には皮質の大部分が活動しているのに対し、中脳や脳幹は抑制されていることを見いだした。
2012年11月22日号の Nature ハイライト
微生物:海洋のメタン還元機構
脳:海馬での記憶固定
免疫:Treg細胞依存的な免疫寛容の調節
宇宙:冥王星やエリス並みにわかってきたマケマケの姿
物理:極性分子の光電冷却
材料:リズミカルな自己集合
化学:油–水界面における作用
神経:明暗周期の乱れがうつを引き起こす
細胞:パーキンソン病で見られる細胞核の異常
細胞:免疫細胞運命のキュリン3による調節