材料：リズミカルな自己集合

自己集合現象と同期化現象を組み合わせた新しい材料設計戦略が、今回報告されている。同期化の例としてなじみ深いものには、拍手にリズムが生じることやホタルの光の点滅、ニューロン発火などがある。S Granickたちは、球状シリカ粒子の片半球をニッケルで被覆して磁気対称性を持たせた「ヤヌス」粒子を作製し、回転磁場にさらした。それらの粒子は、最初は別々に動いているが、粒子どうしが引き寄せられると同期して動くようになり、自己集合してマイクロメートルスケールのチューブ構造を形成する。この集合体を操作することにより、チューブ構造内でさまざまな対称性を生成できる。しかし、同期性が失われると構造体はバラバラに分解する。このように、in situで集合・分解・再構成できる能力は、選択的な積荷分子の取り込みや輸送、流体の流れ制御などの応用に利用できるかもしれない。

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