Nature ハイライト

宇宙:最初の星に肉薄する

Nature 492, 7427

天の川銀河のハロー星と赤方偏移z = 3の2つのクエーサー吸収線系では、典型的な宇宙環境に比べて重元素の存在量が低いことが観測されている。このような天体は、初期宇宙の名残であると広く考えられている。今回、赤方偏移z = 7.04にある遠方のクエーサーの赤外スペクトルで化学組成を測定した結果が報告された。この赤方偏移は、宇宙が現在の年齢のわずか5.6%だった頃に相当する。この時期は、第一世代の星が形成された時期に近いと考えられ、最初の重元素はこれらの星から生成された。このスペクトルには、大きな中性水素柱が見られたものの、重元素は感度の高い検出限界まで見られず、これらの中性水素雲が、知られている中で化学的に最も始原的な中性水素の貯蔵場所であることがはっきりした。したがって、我々はついに、星形成の最初の世代を目の当たりにしたと思われる。

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