Nature ハイライト 細胞:心臓の老化 2006年6月22日 Nature 441, 7096 かねてより老化の原因は、ゲノムが受けるランダムな損傷による遺伝子発現調節の変化にあると考えられてきた。若いマウス(6か月齢)と年老いたマウス(27か月齢)の心臓組織を調べた研究から、この説を裏づける重要なデータが得られた。マウス心臓から単離したばかりの細胞には、遺伝子発現に内因性の変動があり、こうした違いが加齢とともに増加することが初めて明らかになった。また遺伝毒性をもつ化学物質による処理では、老化に似た影響がみられた。この結果は、偶発的なできごとによって起こる遺伝子発現の調節異常が、老化に関係した細胞の変性と死の一般的な仕組みであることを示している。 2006年6月22日号の Nature ハイライト 生態:差し迫った問題 物理:仕事をするリラクサー 植物:自然界のシロイヌナズナ 宇宙:ブラックホールの吸引力 技術:シリコンフォトニクスに向けて 地球:サンアンドレアス断層にはストレスがかかっている 生態:誠実なイメージ 免疫:T細胞を作る2種類の区画の起源 細胞:ゴルジ体の成熟 細胞:心臓の老化 目次へ戻る