Nature ハイライト 細胞:ゴルジ体の成熟 2006年6月22日 Nature 441, 7096 ゴルジ網の成熟に関して、細胞生物学の教科書には2つのモデルが挙げられている。「従来型モデル」では、積み荷タンパク質を含む小胞が、生産ラインに乗るかたちで袋状構造を次々と移動しながら、分泌されるまでに修飾を受けていくとされている。もう1つは、ゴルジ体の1つの区画が時間とともに発達すると考える槽成熟モデルである。槽(cisternae、嚢とも)は、ゴルジ体分泌系を構成する扁平で円盤状の、膜でできた袋である。このモデルでは、積み荷タンパク質は輸送小胞に詰め込まれて、その最終目的地に送られる準備ができるまで1つの槽内にとどまっているとされる。今週号では2つのグループが別々に、酵母(Saccharomyces cerevisiae)ではタンパク質は分泌されるまで1つの槽内にとどまっていることを高度な画像化技術を用いて明らかにしている。 2006年6月22日号の Nature ハイライト 生態:差し迫った問題 物理:仕事をするリラクサー 植物:自然界のシロイヌナズナ 宇宙:ブラックホールの吸引力 技術:シリコンフォトニクスに向けて 地球:サンアンドレアス断層にはストレスがかかっている 生態:誠実なイメージ 免疫:T細胞を作る2種類の区画の起源 細胞:ゴルジ体の成熟 細胞:心臓の老化 目次へ戻る