Nature ハイライト

生化学:プリン代謝の安全弁

Nature 500, 7461

大腸菌(Escherichia coli)などの生きた細胞では、1,000種を超える代謝産物の濃度や流量の制御が、酵素の濃度や活性、その基質の存在状況を介して行われている。ピリミジンのde novo生合成は、その合成経路に入る分岐点となる最初の段階(アスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼが触媒する)と、その1つ前の段階(カルバモイルリン酸シンターゼが触媒する)のところで調節されていることが報告されている。今回、大腸菌細胞でピリミジン生合成の最終産物が過剰に蓄積するのを避けるために使われている新しい調節戦略が見つかった。これには、UMPからウラシルへのオーバーフロー経路が使われている。この過程は、過剰な糖異化によってピルビン酸が生じると、乳酸やエタノール、酢酸として排出することができるという、重要な炭素代謝系で見られる仕組みに類似している。

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