Nature ハイライト
生化学:プリン代謝の安全弁
Nature 500, 7461
大腸菌(Escherichia coli)などの生きた細胞では、1,000種を超える代謝産物の濃度や流量の制御が、酵素の濃度や活性、その基質の存在状況を介して行われている。ピリミジンのde novo生合成は、その合成経路に入る分岐点となる最初の段階(アスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼが触媒する)と、その1つ前の段階(カルバモイルリン酸シンターゼが触媒する)のところで調節されていることが報告されている。今回、大腸菌細胞でピリミジン生合成の最終産物が過剰に蓄積するのを避けるために使われている新しい調節戦略が見つかった。これには、UMPからウラシルへのオーバーフロー経路が使われている。この過程は、過剰な糖異化によってピルビン酸が生じると、乳酸やエタノール、酢酸として排出することができるという、重要な炭素代謝系で見られる仕組みに類似している。
2013年8月8日号の Nature ハイライト
進化:混迷が深まる初期哺乳類進化の研究
宇宙:制御されたエンセラダスのプリューム
光学:期待されるスクイーズド光チップ
気候:10万年周期の氷河作用を支える駆動力
遺伝学:HeLa細胞のゲノムは意外に安定している
発生:内耳の再生
遺伝学:ビタミンCは幹細胞の機能に影響する
免疫:胃を落ち着かせる細菌カクテル
生化学:プリン代謝の安全弁