Nature ハイライト

生物工学:光遺伝学で役立つLITEツーハイブリッドシステム

Nature 500, 7463

F Zhangたちは、目的に合わせて変更可能なTALE(transcription activator-like effector)・DNA結合ドメインに、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の光感受性タンパク質であるクリプトクロム2とその結合相手のCIB1を組み込むことで、光遺伝学的ツーハイブリッドシステムを作製し、LITE(light-inducible transcriptional effector)と命名した。LITEは他の補因子を必要とせず、変更を加えて多数の遺伝子座を標的とすることも容易で、素早く、また可逆的に活性化でき、ウイルスベクターに組み込んで、特定の細胞集団を標的とすることも可能である。マウスの初代培養ニューロンや覚醒状態のマウスの脳で、この系を使って内在遺伝子の発現を調節したり、エピジェネティックなクロマチン修飾を標的化したりする実験が行われた。このLITE系は、細胞に本来存在する過程を光遺伝学的に調整する新たな手法となりそうだ。

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