Nature ハイライト
構造生物学:葉酸受容体の構造
Nature 500, 7463
葉酸は、DNA合成、DNA修復や細胞分裂などの多くの生物学的過程に必要とされる必須ビタミンである。「正常」な細胞は、3種類の葉酸受容体α、βとγを比較的少量発現しているが、がん細胞株では一般にこれらが過剰発現されている。そのため、これらの受容体は新たな化学療法薬やがん造影剤の標的となると考えられている。今回、細胞への葉酸の取り込みを行っているヒト葉酸受容体αの葉酸が結合した状態のX線結晶構造が解かれ、リガンド結合ポケットの位置が特定された。これは受容体を標的とする新規小分子の開発に役立つデータとなるだろう。
2013年8月22日号の Nature ハイライト
がん:がんの変異は寄せ集め
植物科学:植物で確認された傷害応答電気シグナル
宇宙:太陽類似星の表面重力の測定
物理:金属絶縁体二酸化バナジウムの三重点
フォトニクス:有機オプトエレクトロニクスにおける損失に対処する
気候:南極の退氷を駆動する局地的な条件
生態:入れ子になった生態系ネットワークの構造
生物物理:セラミド-1-リン酸の細胞内輸送
生物工学:光遺伝学で役立つLITEツーハイブリッドシステム
構造生物学:葉酸受容体の構造