Nature ハイライト

Cover Story:調節の地形図:DNAメチル化の動態はヒトゲノム全体での調節の特徴を示している

Nature 500, 7463

表紙はヒトゲノムの動的メチル化の全体像を示しており、x軸(左)は24のヒト細胞で見られたメチル化状態の最大変化、y軸は総メチル化の中央値、z軸はCpGジヌクレオチドの密度にそれぞれ対応している。通常はCpGで起こるシトシンメチル化は、遺伝子発現に対するエピジェネティックな調節の一般的な特徴である。多くの細胞種で、CpGジヌクレオチドのメチル化パターンは比較的安定しており、どのCpGがゲノム調節に関与するかについてはよく分かっていない。今回、A Meissnerたちは、ヒトの多様な細胞や組織について全ゲノムバイサルファイト塩基配列解読法で得られたデータセットを解析し、このような細胞や組織でメチル化状態の変化が起こるCpGは全体の約22%でしかないことを見いだした。このようなCpGの大部分は、遺伝子の調節エレメントと考えられる部位、特にエンハンサーや転写因子結合部位に位置する。動的なDNAメチル化パターンを示すこのような選ばれた領域は、DNAメチル化の分布状況をさらにはっきりさせるのに加えて、有益な情報が得られる領域に注目したり、調節エレメントを明らかにしたりするためのより効率の良いゲノム解析手法を導き出すのに役立つかもしれない。

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