Nature ハイライト
神経科学:急速眼球運動で素早く見る
Nature 507, 7493
我々は情景を見る際、サッケードと呼ばれる眼球の急速運動を行うが、このとき網膜内の最も精度の高い領域である中心窩には、情景の異なるさまざまな部分が映る。このような眼球運動によって網膜上の像がかなり移動することになるが、我々の視覚認識は連続的で安定している。T Mooreたちは、この安定性をうまく説明できそうな仕組みを前前頭皮質ニューロンに見つけた。眼球運動の準備中に、ニューロンは自身の視覚受容野(当該ニューロンが最もよく応答する空間領域)を、行動上関心のある領域を著しく過剰に表現するために移動させることを彼らは示した。これはヒトの視覚認識と符合する。この知見は、従来支配的だった仮説、つまり受容野は予測的に再マッピングし、脳のニューロンは眼球運動のたびに起こる結果を予測して視覚空間表現を移動させるとする説とは逆方向の結果である。
2014年3月27日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性に対抗するRESTタンパク質
遺伝学:ヒトの転写をマッピング
宇宙:準惑星セドナは独りぼっちではなかった
低温物理学:複雑粒子の散乱
気候科学:メタン放出は温度変化の影響を非常に受けやすい
気候科学:変動する気候下での生物種の移動性
進化:無顎から有顎への移行
神経科学:急速眼球運動で素早く見る
免疫:TFH機能におけるAscl2の役割