Nature ハイライト
進化:無顎から有顎への移行
Nature 507, 7493
顎のない魚類から顎のある脊椎動物が誕生するには、顎のない頭部に顎が加わるだけではなく、頭蓋形態の抜本的な再編成が必要だった。現生の有顎脊椎動物は、同じく現生の無顎脊椎動物(ヤツメウナギ類とヌタウナギ類)とは大きく異なっているため、頭蓋形態がどのように変化していったのかを解明することが難しい。板皮類と呼ばれる化石魚類のRomundinaは非常に原始的な有顎脊椎動物であり、その研究から頭蓋形態の移行がどのように起こったのかを知る手がかりが得られる。今回V Dupretたちは、Romundinaの頭部は有顎脊椎動物の構造をしているが、頭蓋および脳の比率は、ヤツメウナギなどの現生無顎脊椎動物や一部の化石無顎魚類のものと似ていることを明らかにした。この組み合わせは、有顎脊椎動物としては原始的なもののように思われ、有顎脊椎動物を一般化したモデルとして従来使われてきたサメ類の形態とは根本的に異なっている。
2014年3月27日号の Nature ハイライト
神経科学:神経変性に対抗するRESTタンパク質
遺伝学:ヒトの転写をマッピング
宇宙:準惑星セドナは独りぼっちではなかった
低温物理学:複雑粒子の散乱
気候科学:メタン放出は温度変化の影響を非常に受けやすい
気候科学:変動する気候下での生物種の移動性
進化:無顎から有顎への移行
神経科学:急速眼球運動で素早く見る
免疫:TFH機能におけるAscl2の役割