Nature ハイライト
遺伝:遺伝子変異とヒト疾患
Nature 508, 7497
ハイスループットDNA塩基配列決定技術が広範に使われるようになったことで、ヒト疾患における遺伝的変異のデータが急速に集積しつつある。今週号のPerspectiveでは、D MacArthurたちがこうした傾向に警告を発し、報告された疾患関連変異のうち最大で4分の1が、一般的な多型であると判明したか、もしくは病原性についての十分な証拠に欠けていたと指摘している。著者たちは、ヒト疾患における配列変異の評価に関わる重要な難問について論じ、ヒトゲノム中の疾患原因となる遺伝的変異とそれ以外の変異とをしっかり区別するためのガイドラインを提案している。また、ゲノム研究上の発見を臨床診断にうまく転用しようとするには研究と情報資源の発展が緊急に必要となるいくつかの領域を特に選び出している。
2014年4月24日号の Nature ハイライト
遺伝:遺伝子変異とヒト疾患
気候科学:海水準と海水温の記録をそろえる
生殖生物学:卵で見つかった「受精」タンパク質のJuno
量子物理科学:エラーのない量子計算への展望
化学:省エネルギーにつながる可能性を持つ新触媒
地球:リソスフェアの損傷の副産物としてのプレートテクトニクス
生態:放牧と生物多様性の関係を探る
微生物学:赤痢アメーバは腸を食いちぎる
細胞:骨髄ニッチの形成