Nature ハイライト
気候科学:海水準と海水温の記録をそろえる
Nature 508, 7497
過去の海水準変動とそれに関連する海水温変化の記録のほとんどは、深海の海洋微生物に記録された酸素同位体の変動に依存している。残念ながら、こうしたシグナルは、他の影響によって複雑化しており、気候に関連する明確なシグナルが得にくい。E Rohlingたちは今回、過去530万年間の海水準と深海の水温の変動を見積もる新たな方法を提示している。この記録は、地中海東部の酸素同位体の変動に基づくもので、深海の研究方法に見られる問題点を回避し、過去160万年間についての別個の記録とおおむね一致する。予想されたように、温度と海水準は、おおまかには相関しているが、鮮新–更新世の氷河期の開始時に、興味深い一時的不連続、つまり海水準の大きな低下が急激な水温低下よりも数十万年遅れたことも示されている。
2014年4月24日号の Nature ハイライト
遺伝:遺伝子変異とヒト疾患
気候科学:海水準と海水温の記録をそろえる
生殖生物学:卵で見つかった「受精」タンパク質のJuno
量子物理科学:エラーのない量子計算への展望
化学:省エネルギーにつながる可能性を持つ新触媒
地球:リソスフェアの損傷の副産物としてのプレートテクトニクス
生態:放牧と生物多様性の関係を探る
微生物学:赤痢アメーバは腸を食いちぎる
細胞:骨髄ニッチの形成