Nature ハイライト
細胞:骨髄ニッチの形成
Nature 508, 7497
骨髄の造血幹細胞ニッチの形成の分子基盤は明らかになっていない。今回、長澤丘司(京都大学)たちは、転写因子Foxc1が、CXCケモカインリガンド(CXCL)12が豊富なCAR(CXCL12-abundant reticular)細胞に選択的に発現していることを明らかにした。CAR細胞は、in vivoでの造血幹・前駆細胞(HSPC)の維持に不可欠である。また、胚発生中にCAR細胞でFoxc1を欠失させると、骨髄の脂肪細胞数の増加とHSPCの減少が起こることが分かった。著者たちは、Foxc1が造血ニッチのCAR細胞の主要な調節因子であると結論している。
2014年4月24日号の Nature ハイライト
遺伝:遺伝子変異とヒト疾患
気候科学:海水準と海水温の記録をそろえる
生殖生物学:卵で見つかった「受精」タンパク質のJuno
量子物理科学:エラーのない量子計算への展望
化学:省エネルギーにつながる可能性を持つ新触媒
地球:リソスフェアの損傷の副産物としてのプレートテクトニクス
生態:放牧と生物多様性の関係を探る
微生物学:赤痢アメーバは腸を食いちぎる
細胞:骨髄ニッチの形成