Nature ハイライト

宇宙:超新星に由来する大きな塵粒子

Nature 511, 7509

塵粒子は、宇宙のほとんど至るところで発見されており、銀河進化、惑星形成などの多くの事象に不可欠である。こうした塵の全てがどこに由来するのか、また星形成銀河の過酷な環境で塵はどのようにして生き残るのかは、まだ明らかになっていない。最近の研究では、超新星残骸で塵が形成されている可能性が示唆されているが、明るい超新星SN 2010jlのその後の観測からは、結論に至っていない。C Gallたちは今回、SN 2010jlの分光学的観測結果が、その高密度の星周物質での速やかな(40~240日)塵形成と一致していることを報告している。こうして形成された塵による波長依存性減光は、直径1 μm以上という非常に大きな壊れにくい塵粒子の存在を示している。さらに500~900日後には、塵の質量成長が加速しているらしいことが、近赤外領域の熱放射から示唆された。

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