Nature ハイライト
宇宙:ラブルパイル小惑星を形作る凝集力
Nature 512, 7513
小惑星の中には固くまとまった天体もあるが、砂から巨礫サイズの構成要素が緩くつながって形を成している天体もあり、これらは「ラブルパイル(rubble-pile)」小惑星として知られている。従来、ラブルパイル(瓦礫の集まり)は重力と摩擦力のみで1つにまとまっていると考えられてきたが、この説は最近疑問視されるようになり、構成粒子間に働く微弱なファンデルワールス力が重要な要素である可能性が出てきている。今回、B Rozitisたちは、キロメートルサイズのラブルパイル小惑星(29075) 1950 DAが、重力と摩擦力の作用のみを仮定してその密度から計算された分裂限界値よりも速く自転していることを報告している。粒子間の凝集力が、小惑星を1つにまとめていると考えられ、その力は月のレゴリス粒子間で見られる大きさよりはいくらか小さいにしろ、それと同程度の大きさであると、著者たちは結論している。
2014年8月14日号の Nature ハイライト
がん:乳がんに見られる細胞不均一性
宇宙:ラブルパイル小惑星を形作る凝集力
材料科学:純金属でガラスを作る
惑星科学:月はどのようにして形成されたか
神経科学:アルコール乱用を予測する因子
老化:衰える血液幹細胞
分子生物学:いちかばちか進化に賭ける
分子生物学:ISWI酵素群によるヌクレオソームの位置取り調節機構