Nature ハイライト
分子生物学:ISWI酵素群によるヌクレオソームの位置取り調節機構
Nature 512, 7513
ISWI(imitation switch)ファミリーのクロマチンリモデリング酵素は、ヌクレオソームが一定の間隔で位置するように働いており、これは遺伝子サイレンシングやヘテロクロマチン形成に非常に重要である。今回、X Zhuangたちは一分子蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)をさまざまな生化学的手法と組み合わせて用い、ヒトのACF(ATP-dependent chromatin assembly and remodelling factor)として知られているISWI酵素複合体がヌクレオソームの間隔を調節する機構について報告している。DNAリンカーの長さは、ACFの補助サブユニット(Acf1)により検知され、ヌクレオソームのヒストンH4の尾部を介して、触媒サブユニット(Snf2h)へとアロステリックに伝達される。著者たちは、この機構はISWIファミリーの酵素群に広く当てはまるだろうと考えている。
2014年8月14日号の Nature ハイライト
がん:乳がんに見られる細胞不均一性
宇宙:ラブルパイル小惑星を形作る凝集力
材料科学:純金属でガラスを作る
惑星科学:月はどのようにして形成されたか
神経科学:アルコール乱用を予測する因子
老化:衰える血液幹細胞
分子生物学:いちかばちか進化に賭ける
分子生物学:ISWI酵素群によるヌクレオソームの位置取り調節機構