Nature ハイライト
構造生物学:糖尿病治療薬の標的であるGPR40の構造
Nature 513, 7516
Gタンパク質共役受容体(GPCR)であるヒトGPR40(hGPR40、別名FFAR1;遊離脂肪酸受容体1)は、2型糖尿病治療のための薬剤標的として関心を集めている。GPR40は、主に膵β細胞や腸管内分泌細胞で発現している膜タンパク質で、栄養センサーとして作用してインスリン分泌やグルカゴン様ペプチド1の分泌を増加させる。今回、GPR40の部分アゴニストで第3相臨床試験が現在行われているTAK-875(ファシグリファム)と複合体を形成したhGPR40の詳細な原子構造が報告された。この構造から、TAK-875は独特なやり方でGPR40と結合することが明らかになった。TAK-875や天然の基質は脂質二重層を通って受容体結合ポケットへ入ると考えられる。
2014年9月4日号の Nature ハイライト
実験進化学:前進するのに最適な鰭
微生物学:肝硬変と腸内マイクロバイオームとの関連
がん:eIF4とがんタンパク質との相互作用
材料:コロイド膜の相分離
地球物理学:マントル・プリュームの上の表面地形
免疫:RIPK1は細胞死の活性化と阻害の両方に関わっている
がん:肝臓がんの誘導機序
ゲノミクス:編集されたゲノムから浮き彫りになること
構造生物学:糖尿病治療薬の標的であるGPR40の構造