Nature ハイライト
Cover Story:月のリフト活動:NASAのGRAILミッションによって月の表側での太古のテクトニクスが明らかに
Nature 514, 7520
プロセラルム盆地は、月の表側にある広大な盆地で、標高が低く地殻が薄いという特徴があり、多くの部分が濃い色の玄武岩で覆われていて、地球から肉眼で見ることができる。表紙の月の画像では、今回NASAのGRAIL(Gravity Recovery and Interior Laboratory)月周回ミッションで得られたデータから計算された、プロセラルム盆地の境界に当たる重力異常部分が赤色で示されている。背景の月面地形は、別のNASA月探査ミッションである月周回衛星LROに搭載されたレーザー高度計(LOLA)の測定結果を基に描かれたものである。J Andrews-Hannaたちは、観測された重力異常領域が、月の表側にある、噴火によってできた平原(すなわち海)の下に埋もれている、太古の溶岩が溢れ出した亀裂領域を示す証拠だと考えている。
2014年10月2日号の Nature ハイライト
医学:進行したエボラウイルス感染症に対する免疫療法
がん:腫瘍サブクローンの相互作用
微生物学:ヒト皮膚バイオームの探索法
宇宙:タイタンの非季節性の氷雲
量子物理学:量子コンピューターの新たな局面
分光学:キラルセンシングを後押し
気候科学:氷河下の圧力変動に対する氷の速度応答
地球ダイナミクス:2011年東北沖地震を理解する
細胞:RETがん原遺伝子は幹細胞の生存を助ける
分子生物学:DNA修復におけるMRX複合体の活性