Nature ハイライト

Cover Story:月のリフト活動:NASAのGRAILミッションによって月の表側での太古のテクトニクスが明らかに

Nature 514, 7520

地球から見た満月。赤色で示された部分が、今回明らかになったプロセラルム盆地の縁構造。
地球から見た満月。赤色で示された部分が、今回明らかになったプロセラルム盆地の縁構造。 | 拡大する

Credit: Kopernik Observatory/NASA/Colorado School of Mines/MIT/JPL/Goddard Space Flight Center

プロセラルム盆地は、月の表側にある広大な盆地で、標高が低く地殻が薄いという特徴があり、多くの部分が濃い色の玄武岩で覆われていて、地球から肉眼で見ることができる。表紙の月の画像では、今回NASAのGRAIL(Gravity Recovery and Interior Laboratory)月周回ミッションで得られたデータから計算された、プロセラルム盆地の境界に当たる重力異常部分が赤色で示されている。背景の月面地形は、別のNASA月探査ミッションである月周回衛星LROに搭載されたレーザー高度計(LOLA)の測定結果を基に描かれたものである。J Andrews-Hannaたちは、観測された重力異常領域が、月の表側にある、噴火によってできた平原(すなわち海)の下に埋もれている、太古の溶岩が溢れ出した亀裂領域を示す証拠だと考えている。

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