Nature ハイライト
分光学:キラルセンシングを後押し
Nature 514, 7520
キラリティーの検出と定量化は、分析化学、生物化学から薬理学や基礎物理学まで、さまざまな分野で重要である。通常、キラリティーの検出と定量化は、円二色性や旋光性の測定によって行われる。これらの測定手順は原理的には単純だが、変動する大きなバックグラウンドに対して信号強度が弱いため、測定に限界のあることが多い。今回D Sofikitisたちは、キラル信号を特別設計のリング共振器に通せば、バックグラウンドに対してキラル信号を選択的に1000倍以上増幅できることを示している。この方法をさらに最適化すれば、現行のキラル検出限界よりも数桁感度が高くなるはずである。この結果は、多くの分野でキラルセンシングに変革をもたらし得る進歩といえる。
2014年10月2日号の Nature ハイライト
医学:進行したエボラウイルス感染症に対する免疫療法
がん:腫瘍サブクローンの相互作用
微生物学:ヒト皮膚バイオームの探索法
宇宙:タイタンの非季節性の氷雲
量子物理学:量子コンピューターの新たな局面
分光学:キラルセンシングを後押し
気候科学:氷河下の圧力変動に対する氷の速度応答
地球ダイナミクス:2011年東北沖地震を理解する
細胞:RETがん原遺伝子は幹細胞の生存を助ける
分子生物学:DNA修復におけるMRX複合体の活性