Nature ハイライト
微生物学:ヒト皮膚バイオームの探索法
Nature 514, 7520
ヒトの皮膚には豊富で多様な微生物相が存在することが、系統マーカー遺伝子に基づくこれまでの研究で明らかになっている。今回J Segreたちは、15人の健常者の身体部位18か所から得た試料を用いて、健康なヒトの皮膚マイクロバイオームの大規模なショットガン塩基配列解読を行ったことを報告している。このメタゲノミクス手法から、系統や機能の意外な多様性が明らかになり、さらに、身体部位の特異性と個人レベルでの特徴も確認された。皮膚から採取した試料に含まれるウイルスや真菌の相対的存在量は、腸など他の身体部位で報告されている値よりも著しく高かった。この研究では、600万個近い遺伝子からなる参照カタログも作成され、これを用いて、参照ゲノムが存在しない皮膚常在微生物種の遺伝学的な特徴を明らかにすることが可能となった。
2014年10月2日号の Nature ハイライト
医学:進行したエボラウイルス感染症に対する免疫療法
がん:腫瘍サブクローンの相互作用
微生物学:ヒト皮膚バイオームの探索法
宇宙:タイタンの非季節性の氷雲
量子物理学:量子コンピューターの新たな局面
分光学:キラルセンシングを後押し
気候科学:氷河下の圧力変動に対する氷の速度応答
地球ダイナミクス:2011年東北沖地震を理解する
細胞:RETがん原遺伝子は幹細胞の生存を助ける
分子生物学:DNA修復におけるMRX複合体の活性