Nature ハイライト 医学:BRCA2の類似体が壊れたDNAを修復 2005年2月10日 Nature 433, 7026 BRCA2遺伝子が乳癌にどうかかわるかについては、多くの研究が行われてきた。この遺伝子が欠陥タンパク質をつくるようになると、乳癌が発生する。しかしこのタンパク質の正常な機能が何かは、謎に包まれていた。今回新たに報告されたBRCA2の類似タンパク質についての研究で、BRCA2が正常なDNA修復過程に重要な役割を果たしていることが示唆された。N Pavletichたちは、トウモロコシ黒穂病菌Ustilago maydisがもつBRCA2類似体が、DNA修復にきわめて重要な別のタンパク質を補助することを明らかにした。このタンパク質が機能するには一本鎖DNAへの結合が不可欠だが、BRCA2類似体がそれを助ける。この菌由来の類似体遺伝子Brh2の役割は、なぜヒトのBRCA2の変異が癌を引き起こすのかを知る手がかりになる。「BRCA2機能のメカニズムをさらに詳しく分類できれば、発癌にかかわる過程の解明が進むだろうし、原因となる欠陥を修復する方法も見つかる可能性がある」とS KowalczykowskiがNews and Viewsで述べている。 2005年2月10日号の Nature ハイライト 医学:BRCA2の類似体が壊れたDNAを修復 細胞:前駆細胞で心臓の修理が可能に? 動物行動:方向を定めて空中降下するアリ 化学:細菌型の燃料電池を作る 古気候:過去2,000年の温度変化 動物行動:タコの腕はヒト並みに器用に動く : 目次へ戻る