Nature ハイライト 動物行動:方向を定めて空中降下するアリ 2005年2月10日 Nature 433, 7026 樹上で生活するアリは、木の上から落っこちてしまったらどうするのだろうか。熱帯産のアリの一種Cephalotes atratusが意外な答えを教えてくれた。このアリは、高い所から降下するときうまく体をつかって地面に落ちないようにし、巣のある木の幹にちゃんと着地する。C. atratusの働きアリは降下するときに特定の方向に滑空し、それにより85%もの成功率で自分の巣のある木の幹に着陸できると、M Kaspariたちが報告している。どうやらこのアリは、風で吹き飛ばされたり木に生息する自分より大きい動物に邪魔されたりしたとき、こうやって自分の巣の仲間たちと離ればなれにならぬようにしているらしい。研究チームはパナマやコスタリカ、ペルーに出かけ、軽業師のようなこのアリについて調べた。アリの脚に白の目印を塗って、ビデオで落下の様子を撮影したところ、アリは後ろ向き(腹部を先にして)に木の幹へと滑空し、だいたい落下後10分以内に巣に戻ることがわかった。 2005年2月10日号の Nature ハイライト 医学:BRCA2の類似体が壊れたDNAを修復 細胞:前駆細胞で心臓の修理が可能に? 動物行動:方向を定めて空中降下するアリ 化学:細菌型の燃料電池を作る 古気候:過去2,000年の温度変化 動物行動:タコの腕はヒト並みに器用に動く : 目次へ戻る