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動物行動:タコの腕はヒト並みに器用に動く

Nature 433, 7026

ヒトは手仕事の器用さに関しては達人級だ。タコも同じく、物を持ち上げたり運んだりという手際を要する作業のときには、関節のあるヒトの腕のように自分の腕を動かしているらしい。 タコは物を口まで持っていくのに、腕を曲げて「準関節」構造をつくり出す。ヒトの腕は骨が腕を固く保つ一方で、肩や肘、手首で回転させることができるが、それと同じようにタコの準関節構造も回転軸となり、しっかり固く伸ばした腕の残り部分を回転させられるのだ。タコが腕の吸盤で食べ物をつかんだ直後に、ヒトの関節と同じような曲がり目を腕につくり出す様子を、B HochnerたちがBrief Communicationsに報告している。 さらに興味深いことに、タコの準関節は腕の全長の真ん中あたりにできる。この位置関係はヒトの上腕と前腕の間の関節とそっくりである。ヒトの進化とタコの行動の双方が獲得したこの構造は、細かい物を器用に取り扱うための理想型なのかもしれない。

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