Nature ハイライト 分光学:光合成のエネルギーフローをマッピング 2005年3月31日 Nature 434, 7033 光合成タンパク質におけるエネルギー輸送の基本的な機構をこれまでになく詳細に明らかにする技術は、生物や人工システムにおける類似のプロセスを探究し理解するのに役立つ。G Flemingたちは、時間間隔を注意深く設定した3発の連続したレーザーパルスを用いて、集光性アンテナ色素から有用な化学物質を作る反応中心に至るまで、光合成タンパク質の中をエネルギーがどのように移動するか、その道筋を精密に調べた。エネルギーは、タンパク質部分ごとに異なるエネルギー準位やタンパク質同士の相互作用で決まる経路を進むが、一目瞭然と思われるものとは異なる、別の経路をたどることがわかった。今回の方法は、1兆分の1(10−12)秒の時間スケールおよび約10億分の1(10−9)mの空間分解能で、分子周辺のエネルギーフローを追跡できる見込みがある。 2005年3月31日号の Nature ハイライト 癌:乳癌素因の新しい手がかり 生化学:RNA干渉を構造から探る 分光学:光合成のエネルギーフローをマッピング 地球:津波をもたらした地震は記録上第2の大きさだった 進化:性のありがたみを酵母で実証 : 目次へ戻る