Nature ハイライト
細胞生物学:細胞周期の長さへの隠れた影響
Nature 519, 7544
細胞周期の長さの変動は、メッセンジャーRNAやタンパク質の生産や分解といった基本的な分子過程のランダムなゆらぎから来ると考えられている。今回N Balabanたちは、数千個の哺乳類細胞で細胞周期の長さを正確に測定し、そのデータに基づいて、いとこ同士に当たる細胞間には存在するが、母細胞と娘細胞の間では失われている、直感に反するような相関性について報告している。著者たちは、これらのデータを再現できる完全に決定論的なモデルに基づき、抗生物質などの薬剤投与に対する応答について細胞間で見られる不均一性が、これまで考えられていたほどランダムではない過程に起因する可能性を示唆している。
2015年3月26日号の Nature ハイライト
細胞生物学:血管新生のMAP4K4による調節
生化学:複製起点依存的なDNA複製の初めてのin vitro系
量子物理学:集団での量子エンタングルメント
物理化学:閉じ込められてできた二次元正方格子状の氷
気候科学:降水量の増加と結び付く雲対流
神経科学:視床室傍核と学習・記憶
細胞生物学:細胞周期の長さへの隠れた影響
細胞生物学:心疾患の新たな治療法
分子生物学:RNAの天然状態での構造を探る