Nature ハイライト 進化:アジアにいた昆虫食の初期霊長類 2004年1月1日 Nature 427, 6969 中国で見つかった頭骨の化石から、およそ5,500万年前のアジアに現代型の霊長類が生息していた可能性が出てきた。この太古の霊長類は昆虫を好んで食べていたらしい。X Niたちが今回報告した化石は中国の湖南省で出土した小さい頭骨で、保存状態がよく、完全な下顎が残っている。脳頭蓋は大きく、眼窩は骨で縁取りされており、現代型霊長類のように見える。しかし頭骨自体は小さく、歯列は原始的である。このことから、この霊長類は昆虫を常食としていたとみられる。Niたちはこの化石をTeilhardina属の新種だとしている。現代型霊長類の最古の化石は、およそ5,500万年前にあたる始新世初めの北米やヨーロッパに突然出現する。アジア産のこれまでの化石標本は数が乏しく、破片状態のものしかなかった。 2004年1月1日号の Nature ハイライト 進化:アジアにいた昆虫食の初期霊長類 進化:多肉植物繁栄のいきさつ 宇宙:ダークエネルギーの地図 海洋:栄養に満ちた南大洋 医学:無作法は遺伝のせい? 電子工学:さらなる小型化 生態:植物細胞壁を緩める線虫 目次へ戻る