Nature ハイライト
惑星科学:ロゼッタ探査機が見つけたピット
Nature 523, 7558
J Vincentたちは今回、ESAのロゼッタ探査機に搭載されているOSIRISカメラで得られたデータを使って、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のピット(多くの彗星核表面で見られる特徴的なくぼみ)を、今までにない空間分解能で、さまざまな角度から見ることによって調べた。その結果、この彗星上のピットは活動中であり、おそらく陥没穴崩壊と同様の過程で作られていることが分かった。著者たちは、ピットの形成後も、昇華が引き起こすピット周辺壁の後退によってその直径が徐々に広がっていると考えている。ピットのサイズや空間分布から、現在の表面から数百メートル下までには物理的、構造的または組成的な性質に大きな不均一性があることが示唆される。
2015年7月2日号の Nature ハイライト
構造生物学:重要なスプライソソーム複合体の構造
分子生物学:DNA損傷とスプライシング調節の連繋
惑星科学:ロゼッタ探査機が見つけたピット
量子ドット:量子ドットの新しい応用
気候科学:北大西洋の過去1000年間の気候
進化学:再分析で明らかになったハルキゲニアの頭部
神経科学:シナプス形成の時間と場所
システム生物学:細胞はみな個々に独立している
がん:機械圧によって促進される腫瘍増殖
がん:MYCによるスプライシング装置の制御
構造生物学:解糖系の重要な酵素の構造