Nature ハイライト
分子生物学:DNA損傷とスプライシング調節の連繋
Nature 523, 7558
紫外線(UV)照射によりDNAに起こる損傷は転写を遮断し、この機序は過剰なタンパク質量を減少させるのにも使われている。DNA損傷応答は転写産物のスプライシングにも影響することが知られており、今回、その機序が推定された。M Tresiniたちは、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)のU2およびU5を含むコアスプライソソームが、UV損傷によってクロマチンから取り外されることを見いだした。その結果、新生転写産物を含んだRループが形成され、これがフィードフォワード様式でDNA損傷応答キナーゼATMの活性化を引き起こし、スプライソソーム動態と選択的スプライシングに影響を与える。
2015年7月2日号の Nature ハイライト
構造生物学:重要なスプライソソーム複合体の構造
分子生物学:DNA損傷とスプライシング調節の連繋
惑星科学:ロゼッタ探査機が見つけたピット
量子ドット:量子ドットの新しい応用
気候科学:北大西洋の過去1000年間の気候
進化学:再分析で明らかになったハルキゲニアの頭部
神経科学:シナプス形成の時間と場所
システム生物学:細胞はみな個々に独立している
がん:機械圧によって促進される腫瘍増殖
がん:MYCによるスプライシング装置の制御
構造生物学:解糖系の重要な酵素の構造