Nature ハイライト 化石:「眠れる竜」に鳥の寝姿の起源をみる 2004年10月14日 Nature 431, 7010 ひと寝入りした態勢のまま埋まったと思われる新種の恐竜の化石が、中国の化石ハンターたちの手で掘り出された。この恐竜は、現在の鳥類が眠るときとそっくりの、片方の前足で頭を抱え込み、体を丸めた姿勢で見つかった。X XuとM Norellは中国遼寧省の北票市近郊で見つかったこの恐竜に、「ぐっすり眠る竜」という意味でMei longと名づけた。この地域は恐竜化石の宝庫として近年注目を集めており、恐竜の体だけでなく行動についての情報をもたらしてくれる化石を産出している。この恐竜化石は、鳥類のような寝姿をとることがわかった動物として知られるうちで最古のものであり、特徴的なこの睡眠姿勢が現生鳥類の祖先にあたる恐竜で最初に現れた可能性が高いことを物語っている。M. longは体長わずか53 cmで、これは、鳥類の祖先にあたる恐竜が小型だったことが後に飛翔能力を発達させるうえで重要だったとする説を裏付ける材料にもなる。 2004年10月14日号の Nature ハイライト 化石:「眠れる竜」に鳥の寝姿の起源をみる 生化学:輸送体の構造はサラダボウル型 物理:太めのヘリウムでも融合は早くない 宇宙:火星の水の謎解明が一歩進んだ Insight:神経の可塑性と演算処理 脳:バイリンガルになると脳の灰白質が変化する 目次へ戻る