Nature ハイライト
生態学:山の生物相の進化
Nature 524, 7565
マレーシア・ボルネオ島のキナバル山は、ヒマラヤ山脈とニューギニアの間にある山として最高峰であり、他の熱帯山地と同様に生物多様性ホットスポットとなっていて、標高によって隔離された固有種が多数存在する。今回、そうした生物多様性の進化的起源を調べるために、キナバル山のカエル類、昆虫、クモ類、腹足類、ヒル類、蘚類、顕花植物、シダ類、真菌類を含む生物相全体の標本採取が行われた。DNAバーコーディング法により、キナバル山に生息する種の大半はこの山の600万年という年齢よりも新しく、生態的地位を高地に移した低地種の近縁種であるか、または他の高地に由来する長距離移入種であることが明らかになった。山地の生物多様性の起源を解明することは、環境変化に対するその応答の解明に役立つだろう。
2015年8月20日号の Nature ハイライト
構造生物学:bHLH-PAS転写因子の構造
細胞生物学:マイトファジーでパーキンが果たす役割
構造生物学:μオピオイド受容体の活性化
惑星科学:巨大惑星形成の集積モデル
有機化学:ニッケル触媒反応を用いた炭素–ヘテロ原子カップリング
気候:中国の炭素排出量の下方修正
古生物学:生物が複雑化した時代
生態学:山の生物相の進化
がん:がんとの関連が明らかになった細胞ストレスとオートファジー
構造生物学:パーキン活性化機構の解明