Nature ハイライト

構造生物学:パーキン活性化機構の解明

Nature 524, 7565

パーキンとPINK1という酵素コンビが注目を集めているのは、これらがマイトファジー(損傷したミトコンドリアを細胞が分解する過程)を調節しているからというだけでなく、この2つが常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)患者で変異しているからである。分子レベルで見ると、PINK1はパーキンのユビキチン(Ub)様(Ubl)ドメインとUb分子の両方をリン酸化することにより、パーキンを活性化する。今回D Komanderたちは、リン酸化Ubが誘導するパーキン活性化につながるコンホメーション変化と、パーキンがミトコンドリア上のリン酸化Ub鎖を引き寄せる仕組みについての手掛かりを明らかにした。一方、リン酸化Ubと複合体を形成したパーキンの結晶構造からは、パーキン内のリン酸化Ubが結合するポケット構造に含まれるアミノ酸残基に、AR-JP患者では変異が生じていることも明らかになった。

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