Nature ハイライト
構造生物学:InsP3受容体の構造
Nature 527, 7578
哺乳類のイノシトール 1,4,5-トリスリン酸受容体(InsP3R)1型のリガンドが結合していない状態の4.7 Å分解能での低温電子顕微鏡構造が、I Seryshevaたちによって報告された。InsP3Rは細胞質でのCa2+シグナル伝達を仲介していて、広範囲にわたる生理機能に関係している。今回の構造から、Ca2+が通過する中央の経路が明らかになり、これは近縁のリアノジン受容体などの他のイオンチャネルで見つかっているものと類似していることが分かった。だが、この四量体チャネルのC末端ドメインの構造は独特のもので、InsP3Rのゲート開閉を活性化するための独特のアロステリック機構を示している。
2015年11月19日号の Nature ハイライト
発生:ショウジョウバエでのモルフォゲンによるパターン形成
抗生物質:黄色ブドウ球菌を標的とする新しい手法
がん:転移部位の選択には腫瘍のエキソソームが関与している
構造生物学:InsP3受容体の構造
天文学:形成途中の惑星
素粒子物理学:金を衝突させて反陽子対相関を探る
材料科学:メタンを効率よく貯蔵する媒体
気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ
進化学:脊椎動物の神経堤の起源はもっと古い