Nature ハイライト
気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ
Nature 527, 7578
海洋の酸素極小帯(低酸素帯や酸欠海域とも呼ばれる)の拡大を駆動する原因となる過程はよく分かっていない。今回、アラスカ湾で得られた堆積物コアのデータに基づいて、低酸素状態への変化と同時期の最終退氷期に起きた2回の温暖化事象が報告されている。このデータから、酸素溶解度の低下は海洋温暖化の結果であり、北太平洋酸素極小帯の拡大が始まって、海洋生産力と炭素移出が増加し、溶存酸素濃度がさらに低下したことが示唆される。
2015年11月19日号の Nature ハイライト
発生:ショウジョウバエでのモルフォゲンによるパターン形成
抗生物質:黄色ブドウ球菌を標的とする新しい手法
がん:転移部位の選択には腫瘍のエキソソームが関与している
構造生物学:InsP3受容体の構造
天文学:形成途中の惑星
素粒子物理学:金を衝突させて反陽子対相関を探る
材料科学:メタンを効率よく貯蔵する媒体
気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ
進化学:脊椎動物の神経堤の起源はもっと古い