Nature ハイライト

気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ

Nature 527, 7578

海洋の酸素極小帯(低酸素帯や酸欠海域とも呼ばれる)の拡大を駆動する原因となる過程はよく分かっていない。今回、アラスカ湾で得られた堆積物コアのデータに基づいて、低酸素状態への変化と同時期の最終退氷期に起きた2回の温暖化事象が報告されている。このデータから、酸素溶解度の低下は海洋温暖化の結果であり、北太平洋酸素極小帯の拡大が始まって、海洋生産力と炭素移出が増加し、溶存酸素濃度がさらに低下したことが示唆される。

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