Nature ハイライト
材料科学:メタンを効率よく貯蔵する媒体
Nature 527, 7578
天然ガスの主成分であるメタンはクリーンで安価な燃料だが、ガソリンやディーゼルと比較して周囲条件下での単位体積当たりのエネルギー密度が低いことを考えると、輸送用途での有用性は貯蔵の問題によって制限される。メタンの貯蔵容量を増やす1つの方法は、貯蔵媒体として金属有機構造体などの多孔性材料が入ったタンクを使うことである。しかし、メタン分子が吸着・脱離するたびに熱変動を伴うため、対策をとらなければ過熱や貯蔵効率の低下が起こる恐れがある。今回J Longたちは、2種類の柔軟な金属有機構造体について報告している。これらの金属有機構造体は、特定のメタン圧力で可逆的に相転移するため、利用可能なメタンの貯蔵容量を従来よりも増やすことができる一方で、系の内部熱管理機能も担っている。
2015年11月19日号の Nature ハイライト
発生:ショウジョウバエでのモルフォゲンによるパターン形成
抗生物質:黄色ブドウ球菌を標的とする新しい手法
がん:転移部位の選択には腫瘍のエキソソームが関与している
構造生物学:InsP3受容体の構造
天文学:形成途中の惑星
素粒子物理学:金を衝突させて反陽子対相関を探る
材料科学:メタンを効率よく貯蔵する媒体
気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ
進化学:脊椎動物の神経堤の起源はもっと古い