カイパーベルトは太陽系周辺部をドーナツ状に取り巻く領域で、そこにある凍った天体にはペアを作っているものもある。今回、このようなペアの形成について説明する新たなモデルが提案された。カイパーベルトには10万個の氷天体が含まれると推定され、各天体が直径200キロメートル以上の大きさであると考えられている。これらの天体にはペアを作る、すなわち互いの周りを廻る連星系をなすものがあり、ペアのまま太陽の周りを公転している。今週号で船渡陽子たちは、このようなペアが大小二つの天体として誕生することを示した。ペアのもつ重力はその後第三の天体を捕捉し、もとからあった小さい方の天体をはじき出す。「増えつつあるこのような連星の軌道をこれから決定しないといけない」と、J A BurnsはNews and Viewsで述べている。こういう情報は連星系の起源を解明し、今回提案された機構の当否を確かめる助けとなるだろう。