Nature ハイライト 遺伝子工学:心臓に優しい魚油を作るマウス 2004年2月5日 Nature 427, 6974 マウスに線虫遺伝子を組み込むことによって、ヒトの心臓病の予防に役立つとされるオメガ-3油を作らせることができた。この発見を家畜にうまく応用できれば、より健康によい卵や牛乳、肉類を作る道が開けるかもしれない。線虫Caenorhabditis elegansのfat-1遺伝子を発現するマウスは、オメガ-6脂肪酸をもっと体によいオメガ-3脂肪酸へと変換できるとJ Kangたちが報告している。哺乳類は普通、この変換を行えない。栄養学者たちによれば、オメガ-3脂肪酸の豊富な食事はおすすめだ。この脂肪酸は本来なら魚から得られるものなので、現在は家畜に魚粉を食べさせて、オメガ-3脂肪酸が含まれるようにしている。しかし、この方法は高価につく。著者たちは「家畜に遺伝子を組み込んで、自分でオメガ-3脂肪酸が作れるようにすれば、心臓に優しい食物を作る代替法になるかもしれない」と述べている。 2004年2月5日号の Nature ハイライト 遺伝子工学:心臓に優しい魚油を作るマウス 材料:見かけより内部空間の広い結晶 宇宙:連星はトラブルを越えて 地球:放射性元素の時計で地球形成を計る 化学:窒素の固定法 生態:マングローブは魚の大事な保育園 目次へ戻る