Nature ハイライト
免疫学:ガスダーミンが誘導する細胞死の機序
Nature 535, 7610
ピロトーシスは炎症型のプログラム細胞死で自然免疫応答の1つであり、インフラマソームのタンパク質であるガスダーミンDのカスパーゼによる切断によって引き起こされることが明らかになっている。今回、ピロトーシスでのガスダーミンの働きの基盤となる分子機構が調べられた。J Dingたちは、ガスダーミンD、A、A3のN末端ドメインが細胞毒性を持つのは、小孔を形成することで細胞膜を破壊するためであることを、哺乳類細胞と人為的に形質転換した細菌で明らかにした。小孔のほとんどは直径が約10~14 nmで、16個の対称的なプロトマーからなる。もう1つの論文でJ Liebermanたちは、カスパーゼ11によるガスダーミンDの切断によってガスダーミンDのN末端ドメインのオリゴマー化が誘発され、小孔形成が起こるという証拠を報告している。
2016年7月7日号の Nature ハイライト
計算論的神経科学:方向選択性の神経ネットワーク
免疫学:ガスダーミンが誘導する細胞死の機序
宇宙物理学:ペルセウス座銀河団に見られる静穏なフロー
化学物理学:極低温分子を制御する
森林生態学:熱帯林の撹乱は生物多様性を低下させる
ウイルス学:フラビウイルスの感染には宿主因子が必要である
ウイルス学:フラビウイルスの感染に必要なシグナル伝達経路
生化学:GPCRでのアゴニスト結合