Nature ハイライト
ウイルス学:フラビウイルスの感染に必要なシグナル伝達経路
Nature 535, 7610
今回M Diamondたちは、フラビウイルスの感染と関連する細胞因子に対して、ゲノム規模のCRISPR–Cas9に基づくスクリーニングを行った。その結果、小胞体関連シグナルペプチダーゼ複合体が、ウエストナイルウイルス、デングウイルス、ジカウイルス、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど、多数のフラビウイルスの産生に必要であることが分かった。だが、こうした複合体は他のさまざまなウイルスの感染には必要とされず、ほとんどの宿主タンパク質の分泌にも大きな影響がないようである。著者たちは、この経路へのフラビウイルスの依存性を、ウイルス複製の抑制に利用できるのではないかと考えている。
2016年7月7日号の Nature ハイライト
計算論的神経科学:方向選択性の神経ネットワーク
免疫学:ガスダーミンが誘導する細胞死の機序
宇宙物理学:ペルセウス座銀河団に見られる静穏なフロー
化学物理学:極低温分子を制御する
森林生態学:熱帯林の撹乱は生物多様性を低下させる
ウイルス学:フラビウイルスの感染には宿主因子が必要である
ウイルス学:フラビウイルスの感染に必要なシグナル伝達経路
生化学:GPCRでのアゴニスト結合