Nature ハイライト
Cover Story:フィルム製造機:グラフェンを用いたリモートエピタキシーによって基板がコピー機に変わる
Nature 544, 7650
表紙は、リモートエピタキシーによるフレキシブルフィルムの繰り返し生産の想像図である。エピタキシーは、半導体業界で広く用いられており、多くのデバイス向けの材料が製造されているが、費用が高いため、この手法は特定の材料に限定されている。今回J Kimたちは、基板の上に単層グラフェンを配置し、その上に「エピ層」をエピタキシャル成長させるという、この制約を克服できる方法を提案している。グラフェン層はエピタキシャル成長を妨げないが、このグラフェン層によって、作られたフィルムを基板から容易に剥離できるようになるため、基板を再利用できることが重要である。支持基板から半導体フィルムを「コピー・アンド・ペースト」し、目的の基板に転写できることから、今回の結果は、フォトニクスやフレキシブルエレクトロニクスにおけるヘテロ集積化に影響を与える可能性がある。
2017年4月20日号の Nature ハイライト
疫学:流行の進化
神経科学:シナプス後部でAMPA受容体エキソサイトーシスを仲介するもの
生化学:オキセタノシンAの生合成
構造生物学:GPCRの新たに見つかった状態
材料科学:ガラスを3D印刷する
気候科学:融解水の流出が棚氷を安定させる
進化学:先史時代の歯垢から明らかになるネアンデルタール人の食生活
神経変性疾患:神経変性疾患治療
がん:食餌制限によるがん治療の検討