Nature ハイライト
生化学:オキセタノシンAの生合成
Nature 544, 7650
オキセタノシンA(OXT-A)とオキセタン環を含むその誘導体は、DNAウイルスの強力な阻害剤であり、抗腫瘍活性や抗菌活性も持っている。オキセタンは化学的に合成することができるが、酸素を含むこうした四員環が天然でどのように形成されるのかは知られていなかった。今回、OXT-Aの生合成経路の概要が示され、B12依存性S-アデノシルメチオニン(SAM)ラジカル酵素であるOxsBが関わっていることが明らかになった。OxsBはAMPからの特殊な環縮小反応を触媒する。OxsBの結晶構造は、約7000もの種類があるB12依存性SAM酵素として初めて決定されたものであり、この構造から、B12と鉄–硫黄クラスターが活性部位にどのように収まっているかが明らかになった。
2017年4月20日号の Nature ハイライト
疫学:流行の進化
神経科学:シナプス後部でAMPA受容体エキソサイトーシスを仲介するもの
生化学:オキセタノシンAの生合成
構造生物学:GPCRの新たに見つかった状態
材料科学:ガラスを3D印刷する
気候科学:融解水の流出が棚氷を安定させる
進化学:先史時代の歯垢から明らかになるネアンデルタール人の食生活
神経変性疾患:神経変性疾患治療
がん:食餌制限によるがん治療の検討