Nature ハイライト
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング
Nature 545, 7655
細胞に含まれる数千ものタンパク質は、その生物学的活性を協調させるためのモジュールやネットワークを形成して機能している。そして、細胞のプロテオーム構造を明らかにするタンパク質相互作用マップを構築する複数の大規模研究が、現在進行中である。今回W Harperたちは、アフィニティー精製と質量分析を組み合わせる手法を用いて、タンパク質相互作用ネットワークと共複合体(co-complex)を明らかにし、実験から得られたヒトプロテオーム相互作用ネットワークとしてはこれまでで最大であるBioPlex 2.0を作製した。BioPlex 2.0には、新規な共同関連性(co-association)が2万9000以上、細胞のさまざまな活動に関わるタンパク質共同体が1300含まれ、そのサイズはHarperたちが以前に発表した相互作用ネットワークBioPlex 1.0の2倍以上になる。BioPlex 2.0は、性質の分かっていないタンパク質や疾患との関係が疑われる遺伝子の研究に役立つ貴重な情報源となるだろう。
2017年5月25日号の Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
天文学:クエーサーの探求で見つかった活発な星形成銀河
量子物理学:高温超伝導の秘密を探る
環境科学:ディーゼル車の排ガスの危険性
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
ウイルス学:蚊においてジカウイルスの感染力を高める変異
植物生物学:植物の免疫をプログラムする
がん:腫瘍免疫を遮断する
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング