Nature ハイライト
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
Nature 545, 7655
視床下部の視索前野(POA)は、典型的な睡眠の調節に不可欠な領域の1つだが、この脳領域が睡眠調節過程にどのように関わっているかはよく分かっていない。今回Y Danたちは、さまざまな機能を持つニューロンが混在する中で、POAのニューロン群を特異的に標識する神経投射追跡法を用いて、POA内の睡眠時活動ニューロンの役割を解析した。その結果、POAの睡眠ニューロンはGABA作動性で、結節乳頭核に投射していて、睡眠時に活動するばかりでなく、活性化されると睡眠を促進することもできた。また、単一細胞の分子解析によって複数の遺伝子マーカー候補が挙がり、これらは今後、睡眠ニューロンを標的とした睡眠制御回路の解析に利用できるだろう。
2017年5月25日号の Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
天文学:クエーサーの探求で見つかった活発な星形成銀河
量子物理学:高温超伝導の秘密を探る
環境科学:ディーゼル車の排ガスの危険性
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
ウイルス学:蚊においてジカウイルスの感染力を高める変異
植物生物学:植物の免疫をプログラムする
がん:腫瘍免疫を遮断する
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング